トシコーのパイオニア精神　

Men Wanted: For hazardous journey. Small wages, bitter cold,

long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful.

Honour and recognition in case of success.

　求む男子；冒険的な旅行。微少の報酬、厳しい寒さ、永い暗闇、不断の危険、不確かな生還。成功の暁に手に入るのは名誉と賞賛。探検家のアーネスト・シャクルトン卿が、１９１４年にロンドンの新聞に出したといわれている有名な南極探検隊員募集広告です。パイオニアに求められる精神が上手に盛り込まれています。
　本校の生徒はこの柏苑祭に向けて青春のエネルギーを注ぎ込みます。「勉強もクラブも100：100」をモットーとする学園生活の中で、その柏苑祭に懸ける情熱の源はどこにあるのでしょうか。それは、建学の精神・校訓の中にある「自由・自治・自主」の気概が先輩たちから脈々と受け継がれているからです。しかも単なる継承者ではなくその時々の先駆者として、ここ数年は毎年新しい試みを生徒たちは発案し、実現して、成功させてきています。生徒による学校説明会、ゆるキャラ「としまろ。」、生徒による学校ツアーなどです。今年もまた、新たな挑戦があります。それが何であるかはご来場の皆様が目で見て心で感じていただければと思います。その挑戦の道のりは決して平坦なものであったわけではありません。準備に費やした時間と労力の中では、暗中模索が続き、意見の食い違いや、計画の遅れへの苛立ちなど彼らの人生ドラマのフィルムの一コマに小さなかすり傷を残したかも知れません。しかし、今この日を迎え、トシコーのパイオニアたちの胸には少しばかりの誉れが産まれ、耳にはささやかな讃えの歌声が届くはずです。
　ご来場の皆様には本校の到達した現在とその向こうにある未来を生徒たちの姿を通してご覧いただきましたら幸いです。

学校長　小野　正人