中3　京都・奈良研修旅行③

待ちに待ったタクシー研修です。6人程度の行動班ごとにタクシーを1台レンタルし、それぞれ予定しているコースを巡ります。生徒たちは、HRの時間を使って1ヶ月以上かけて計画を立ててきました。まずは自分たちで行きたい場所の候補を絞り、大まかな行程表が出来上がったところで、アドバイザーに確認いただき、実現可能な予定へ調整していきます。全クラス36班の予定に対し、それぞれコメントをいただき、生徒たちはそれぞれ十分に計画を立てていました。2日目のバス移動中に、京都の街のどこに何があるかを披露して、バスガイドに感嘆される生徒もいました。

朝食を食べた後、36台のワゴンタクシーが次々と京都市街へ旅立っていきました。タクシー運転手の方々には、ガイドの役割も兼ねていただきました。目的地に着くと、運転手と一緒に見学をし、その場所の詳細な情報を教えていただきました。生徒たちに様子を聞くと、自分たちで調べて計画した場所でも、新しい情報をいろいろ教えていただき面白かったとのことでした。

また別の生徒は、昼食の場所を決めかねて運転手に相談したところ、穴場のお店を教えていただき、楽しい食事になったそうです。タクシー運転手に街の様子を尋ねるテレビ番組などもありますが、その土地と関わり深い方のお話は、旅情を何倍にも深めてくれます。単なる移動手段に留まらない、魅力ある案内をいただきました。

当日の京都は、概ね快晴でしたが、一時激しい雨に襲われました。青空に大粒の雨が降ってきたかと思うと、みるみる雲が流れてきて、空が雨雲に覆われてしまいました。一瞬昨日の天気が脳裏をよぎりましたが、15分ほどで雲が流れていき、再び元の快晴に戻りました。古くから寺社には龍や鴟尾（魚の尾）といった水にまつわる様式を用い、火除けを願ってきたそうです。龍は雨を司る生き物だそうですが、旅行で学んだ知識を思いながら通り過ぎゆく雨と雲とを見るのは、普段と違う趣きがありました。

タクシー研修を終えると、お土産袋を下げた生徒たちが続々とホテルに戻ってきました。金閣寺や清水寺といった定番スポットへ向かった生徒、東映太秦映画村へ飛んで行った生徒、京都限定のグッズショップへ班員を引っ張っていった生徒など、班それぞれのコースを楽しんだようです。早めにコース巡りが済んだら、錦市場や寺町通りで時間間際まで過ごす生徒も多く見られました。無目的でも、気の知れた仲間と人出の多い通りを彷徨うというのはいつの時代も若者らしい喜びなのでしょうか。

いよいよ修学旅行も終了が近づいてきました。最後の夜、しっかり休んで最終日に臨みましょう。